イラストレ−タ−柴田賢二さんの作品
'61年世界グランプリ開幕戦スペインGPの125ccクラスを旧型RC143により制し、ホンダにとって初の世界グランプリ優勝を達成したトム・フィリスはその後、改良型のエンジンに剛性の向上した車体を持つこの急造マシンを使い、さらに3勝を加えたほか、ルイジ・タベリが2勝、高橋国光とマイク・へイルウッドが1勝ずつを挙げ、11戦中8勝を記録したのである。この年、4勝を挙げたトム・フィリスは、見事125cc世界チャンピオンに輝いている。
1960年に投入された125cc世界グランプリ・マシン、RC143は翌'61年からはダブルバックボーン・フレームを持つRC144に進化する予定だった。しかし、2バルブ・ギヤトレーン駆動のRC144型エンジンは、パワー不足のため実戦には投入されず、急遽RC144のフレームにアタッチメントをつけて旧型4バルブ・べべルギヤ駆動RC143型エンジン(フロート室別体キャブレターは一体型に変更)を搭載させた2RC143というマシンが製作された。
1961 HONDA 2RC143

エンジン種類 空冷4サイクル並列2気筒DOHC4バルブベベルギヤ駆動
排気量 124.68cm3
最高出力 over 23PS/14,000rpm
最高速度 over 180km/h
車両重量 97kg
変速機 6段変速
サスペンション(前) テレスコピック
サスペンション(後) スイングアーム
'61年世界選手権ロード125ccクラス、ホンダ初のメーカーズ&ライダーズチャンピオン獲得。(ダッチTT優勝車 No.26 T.フィリス)
1961 / ホンダ 2RC143