全長×全幅×全高 | 3,710mm×1,625mm×800mm |
エンジン種類 | 水冷4サイクル60゜V型12気筒横置DOHC |
排気量 | 1,495cm3 |
最高出力 | over 220HP/12,000rpm |
最高速度 | over 300km/h |
車両重量 | 525kg |
サスペンション(前) | 上:ロッキングアーム、下:Iアーム、ラジアスアーム |
サスペンション(後) | 上:逆Aアーム、下:Iアーム、ダブル・ラジアスアーム |
シャシー | |
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シャシー構造 | 軽合金モノコック+19mm径鋼管サブフレーム |
エンジン型式名 | RA271E |
ギヤボックス | 前進6速・後退1速(マニュアル) |
サスペンション形式: 前 | 上: ロッキングアーム 下: Iアーム、ラジアスアーム |
サスペンション形式: 後 | 上: 逆Aアーム、ラジアスアーム 下: Iアーム、ラジアスアーム |
ブレーキ形式: 前/後 | ディスク/ディスク (英ダンロップ製) |
タイヤ 前/後 | 600L-13/700L-13(英ダンロップ製) |
ホイール | ダンロップ製鋳物/センターロック |
車重 | 525kg |
ホイールベース | 2,300mm |
トレッド 前/後 | 1,300mm/1,350mm |
エンジン | |
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タイプ名 | RA271E |
形式 | 水冷横置きV型DOHC |
Vバンク角 | 60度 |
気筒数 | 12 |
バルブ数 | 4/1気筒あたり |
バルブ駆動 | クランクシャフト中央からのギヤトレーン方式 |
排気量 | 1,495.3cc |
ボア×ストローク | 58.1mm×47.0mm |
燃料供給装置 | 12連装キャブレター (2戦目イタリアGPからは 機械式低圧燃料噴射装置に変更) |
潤滑形式 | ドライサンプ |
クラッチ | 乾式多板 |
エンジン配置 | 横置き (上下割りの一体クランクケース・2輪方式) |
最高出力 | 220ps以上/11,500rpm以上 |
ホンダの記念すべき第1号マシン。モノコックシャシーなど当時の最新技術を採り入れながらも、随所にホンダらしさが盛り込まれた。エンジン搭載方法がその最たるもので、オートバイと同じ横置きレイアウト。1気筒あたりの排気量が125ccで12連装キャブレターというのも、2輪レーサーとの共通点が感じられる(もっとも12連キャブはセッティングの難しさから、すぐに機械式燃料噴射に改められた)。前後サスペンションも、アームやロッドを介してコイル/ダンパー・ユニットを車体中央に寄せる、インボード・タイプとなっている。のちに主流となるが、当時は珍しいものだった。
本田宗一郎の理念に従い、エンジンにきわめて豪華かつ独創的な技術が用いられたのも大きな特徴。1気筒あたり4バルブのレイアウトは、当時どのエンジンメーカーも採用していない。またクランクシャフト軸受けに、高回転域で有利なニードル・ベアリングを用い、シャフトじたいも組み立て式(通常は一体式)とされた。エンジン出力はそのクランクシャフトの中央から取りだされる、センター・パワー・テイクオフ方式。エンジンレイアウト上この方式以外に手はなかったが、シャフトのねじれが減り、効率よくパワーをミッションに伝えられる利点も考えられた。これらによって得られた220psオーバーの最高出力は、ライバルたちを軽くひきはなすものだった。
しかし、この贅を尽くした設計が、RA271の弱点でもあった。車両重量は当時の規定最低重量を75kgも上回ってしまうヘビー級。整備性の悪さもアキレス腱となった。トランスミッションケースはクランクケースと一体成型されており、どちらかを整備するにもすべて分解しなければならない。さらにインボード・サスペンションとしたことでエンジン周辺にパーツが集中、いっそう整備に手間がかかる結果を呼んだ。12連キャブも同様だったが、サーキット現場での素早いセッティングと整備は、マシンの性能と同じくらい重要な事柄であることをこのマシンで学んだホンダは、その教訓を次なるRA272に活かしていくことになる。