'61年世界選手権ロード、第2戦西ドイツGP250ccで、日本人ライダーによる初優勝をもたらしたマシン。出場した10戦で全勝、初の世界制覇車。(優勝車
No.100 高橋国光)
1961年、ホンダは第2戦西ドイツGPから世界GP250ccクラスに4気筒レーサー"RC162"を投入した。このモデルは前年型の"RC161"をエンジン、車体共に一新したもので中でもダブルバックボーンフレームの採用等による車体回りの変更は効果的で空力特性も良くなり、それまでMVアグスタが記録していた各コースのラップレコードを大幅に更新した。5月14日の西ドイツGPでは、高橋国光がチームメイトのジム・レッドマンを僅差で抑え、日本人ライダーとして世界GP初優勝を達成、その後のレースでもホンダ勢の快進撃は続き、表彰台を9回独占し全11戦中10勝を挙げた。結果この年マイク・ヘイルウッドが世界タイトルを獲得したほか、ランキング5位までをホンダ・ライダーが独占した。ホンダは125ccクラスのタイトルも獲得し、日本のメーカーとして初の偉業を達成、1954年のマン島TT出場宣言より7年、世界GP参戦3年目の快挙であった。
イラストレ−タ−柴田賢二さんの作品
1961 HONDA RC162
エンジン種類 |
空冷4サイクル並列4気筒DOHC4バルブギヤ駆動 |
排気量 |
249.37cm3 |
最高出力 |
over 45PS/14,000rpm |
最大トルク |
2.1kgm/12,000rpm |
最高速度 |
over 220km/h |
車両重量 |
126.5kg |
変速機 |
6段変速 |
サスペンション(前) |
テレスコピック |
サスペンション(後) |
スイングアーム |
1961 / ホンダ RC162
●RC162/主要諸元
全長×全幅×全高 |
1,874×650×930mm |
ホイールベース |
1,265mm |
乾燥重量 |
126.5kg |
エンジン形式 |
空冷4気筒前傾 |
カム形式/駆動 |
DOHC・ギヤトレーン |
バルブ数 |
4 |
総排気量 |
249.367cc |
ボア×ストローク |
44×41mm |
最高出力 |
45ps以上/14,000rpm |
キャブレター形式 |
ピストンバルブ |
点火方式 |
マグネトー |
変速機 |
6段 |
潤滑方式 |
ドライサンプ |
フレーム形式 |
バックボーン |
前ブレーキ形式 |
ツインパネルシングルカムドラム |
後ブレーキ形式 |
シングルパネルツインカムドラム |
前サスペンション形式 |
テレスコピック |
後サスペンション形式 |
スイングアーム |
前ホイール形式 |
H型アルミリム/スポーク |
後ホイール形式 |
H型アルミリム/スポーク |
前タイヤサイズ |
2.75-18 |
後タイヤサイズ |
3.25-18 |
1960年型RC161を発展させた1961年型250ccクラスマシン。しかし吸気/排気バルブをそれぞれ17.5mmから18.5mm、16.5mmから17.0mmに拡大、吸排気ポートの形状変更、クランクシャフトの変更、カムシャフトジャーナルをボールベアリングに変更、さらにシリンダー前傾角度を35度から30度に変更と、まったく新設計のエンジンと呼ぶに相応しいマシンだった。1961年に11戦10勝を記録し、翌1962年にも引き続いて実践投入され、2年間で20戦19勝という驚くべき性能と安定性をみせた、ホンダGPマシン史上最高傑作機の誉れ高い名機。1961年には高橋国光を日本人初のGP優勝へと導いている。
●排気量:249.367cc
●気筒数:空冷4気筒前傾
●ボア×ストローク:44×41mm
●最高出力:45ps以上/14,000rpm
●最高速度:220km/h以上
●前タイヤ:2.75-18
●後タイヤ:3.25-18
●乾燥重量:126.5kg
RC162
1961年(昭和36年)