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      1966年8月第8回クラブマンレース(富士スピードウエイ)

 1966年8月21日,前日のプラクチスに引つづいて、3月に続き今年2度目の第8回全日本モーターサイクルクラブマンレースが”フイスコ”で開催された。全国から参加した出場車は142台を数え,前回よリ20台余増加したことは,第6回以来跡絶えていたクラブマーンレースへの関心が除々に高まりつつあるかのようだが,しかし PR不足も手伝ってか観衆は5000人と,もう一つという盛りあがりが足りなかった。
 レースは午前8時38分 第1レースのノービス50ccクラスから始まったが,折から南方洋上を低迷していた台風14号の影響か時折騒雨があるかと思うと,カンン照りの夏の日差しがサーキットを照らすという気象状況のもと,あるいは孤独なレースが展開され,あるいは観衆の昂奮を湧きたたせるというバラエティに富んだレースが展開されていった。

ノービスクラス

         ノービスクラスのレース状況 及び 詳細成績は省略する。

ノービスクラス50cc (5周 約30km) . ノービスクラス350cc (11周 約66km)
順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム 順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム
1 菅家淳 スズキ 東京ハイライト 16.13.55 1 吉野勇一 ホンダ 西多摩スピード 28.38.53
2 谷 晃 BS イエローヘルメット 16.59.15 2 田崎信次 ホンダ サンダーレーシング 28.55.53
3 中谷 誠 BS 杉並クラブ 18.38.45 3 中沢政春 ホンダ 茅ヶ崎ホルコン 28.58.02
ノービスクラス90cc (7周 約42km) ノービスクラス500cc (11周 約66km)
順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム 順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム
1 谷 晃 BS イエローヘルメット 20.19.63 1 クリストフアソン ホンダ KMC 29.11.10
2 小沢弘行 ヤマハ 小田原ルートワン 20.19.82 2 ハンス Matchless KMC .
3 伊藤重将 BS 東京ハイライト 22.05.44 . . . . .
ノービスクラス125cc (7周 約42km) クラブ得点
順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム 順位.. クラブ名 得点
1 諏訪 均 ヤマハ スポーツライダー 20.07.40 1 スポーツライダー 32
2 松村道夫 ヤマハ スポーツライダー 20.07.34 2 イエローヘルメット 18
3 青木寛治 ヤマハ 高崎スポーツライダー 20.35.78 3 東京ハイライト 16
ノービスクラス250cc (10周 約60km) .
順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム
1 江崎和久 ホンダ チームボルカノ 26.25.31
1 諏訪 均 ヤマハ スポーツライダー 26.28.35
3 山本俊彦 ヤマハ スポーツライダー 26.55.53


ジュニアクラス

50ccクラス

8周約48km 出走12台 完走10台

●観衆湧かした白熱したレース展開

 黄色を主体とした赤のカウリングをつけたBSが2台,ブルーに黄色をあしらったカウリングのホンダが1台,ノービスの入賞した招待選手が4台,4列になってスタートラインに並ぶ。
 スタートの数10秒前,スタートの役員にざわめきがおこった。招待選手のうち1名が替え玉ライダーであったのだ。勿論そのライダーはスタートから除外され,午後1時19分スタートのフラッグがふられた。
 1周目ノービスの招待選手菅家淳(東京ハイライト/スズキ)、堀雄登吉(東京オトキチ/ホンダ)、谷 晃(イエローヘルメット/BS=招待選手)が小差で通過、回を追うにつれ上位の変動は繁しい。観覧席から歓声があがる,ヘアピンコーナーで順位が変動、巧みなコーナーワークで虚々実々のレースが展開されているのだ。そんな歓声が何回かおこるうちにレースは最終回へと入った。ヘアピン通過順位は堀、田中隆造(イエローヘルメット/BS)、菅家,谷の順。この争いはゴール寸前まで繰りひろげられ堀雄登吉、谷 晃,田中隆造、菅家淳の順でゴール。このゴール寸前に田中隆造のライディングに対し、走路防害の抗議が提出されるほど激しいスリリングなレース展開であった。(走路防害は不成立になったが,その後2着に入った谷 晃のマシンに,ノービス出場時と違うシリンダーを使っていたと抗議が成立,順位は堀雄登吉,田中隆造,菅家淳に変更された)

                     優勝の堀雄登吉

ジュニアクラス50cc (8周 約48km)
順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム
1 堀雄登吉 ホンダ 東京オトキチ 25.55.27
失格 谷 晃 BS イエローヘルメット
2 田中隆造 BS イエローヘルメット 25.55.98
3 菅家 淳 スズキ 東京ハイライト 25.56.12


350ccクラス

18周 約98km 出走8台 完走6台

●室町明・小林彰の争い,吉村ホンダの勝利

 カウリング付の.CB77が3台,ヤマハYM-1が1台、これはアメリカ製の白地に黒のストライプのついたカウリング付,他はすべてCB77である。
 午後2時3分スタート.レースは小林彰(西多摩スピード/ホンダ=第7回350ジュニア2位)と室町明(西多摩スピード/ホンダ)2者の争いに焦点がしぼられた。吉村チューナーの苦心の作がサーキット上で火花を散らしたが,5周トップを奪った室町明は10秒,20秒とその差を大きくして長丁場のレースに勝利を握った。そして3位のアメリカ人ラリー・シベリイ(西多摩スピード/ホンダ)とともに上位をすべて吉村ホンダのチューニングの結晶が独占することになった。

                     優勝の室町明

ジュニアクラス350cc (16周 約96km)
順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム
1 室町 明 ホンダ 西多摩スピード 39.59.62
2 小林 彰 ホンダ 西多摩スピード 40.38.85
3 ラリー・シベリイ ホンダ 西多摩スピード 41.03.68
4 中沢政春 ホンダ 茅ヶ崎ホルコン 1周オクレ


250ccクラス

10周 約60km 出走3台 完走2台

●たった3台の狐独なレース

 小林彰(西多摩スピード/ホンダCB77)と和田勤(スポーツライダー/ヤマハYDS 3=第7回ノービス250クラス1位)とノービスからの招待選手中野隆(西多摩スピード/ホンダ)が午後3時2分スタート。レース進行の遅れをとりもどすため変更させた周回10周を走ったが,途中,中野が脱落,観衆にはつまらないレース展開に終始。結局、小林彰がトップフィニッシュラインを通過した。

ジュニアクラス250cc (10周 約60km)
順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム
1 小林 彰 ホンダ 西多摩スピード 26.29.52
2 和田 勤 ヤマハ スポーツライダー 28.30.86


90ccクラス

8周 約48km 出走7台 完走5台

●渡辺征雄・三室恵義(ヤマハ)、滋野靖穂(BS)の決戦

 白地の中央に赤を配したヤマハ特有のカウリング,シルバーに紺を配したスズキのカウリング,赤と黄のくっきりとしたアクセントをだしたBSのカウリングが最前列にならぶ。3列目にはノービス招待選手谷 晃(イエローヘルメッ=BS)の姿がみえる。
 3時45分スタート。1周目トップは渡辺征雄(スポーツライダー/ヤマハAT)、滋野靖穂(イエローヘルメット/BS90、)三室恵義(スポーツライダー/ヤマハ=第7回ジュニア250cc l位)とつづく,三室のATは6段ミッション、滋野のBSは4段ミッションを駆使、互に秘術をつくして善戦。4周目に三室が2位に上り,滋野は3位になり6周目を回るころ台風性の強い雨が路面をぬらし始めたが,そのままそれぞれの位置を確保してゴール。

               スタート

ジュニアクラス90cc (10周 約60km)
順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム
1 渡辺征雄 ヤマハ スポーツライダー 22.07.89
2 三室恵義 ヤマハ スポーツライダー 22.22.33
3 滋野靖穂 BS イエローヘルメット 22.51.40
4 谷 晃 BS イエローヘルメット 24.41.23


125ccクラス

8周 約48km 出走10台 完走7台

●石川敏明(ホンダ)、松村道夫(ヤマハ)をふりきる

 雨はあがったが,サーキットのところどころに小さな水溜りができ,レースのテクニックにむずかしさを加えている。カウリングした車は2台,シルバーのJRM(トーハツ市販レーサー)と青のホンダだ。ノービスの招待ライダーも3名出場している。
 4時24分最後のレースのスタート旗が振られた。1周目トップにたった石川敏明(静岡レーシング/ホンダ)は2分52秒で1周してくる。つづく金井政夫(スポーツライダー/ヤマハ=第7回125ccノービス1位)の車は不調のようで2周目には姿を消した。3番手の招待ライダー松村道夫(スポーツライダー/ヤマハ)が金井を追う.同じく招待ライダーの青木寛治(次郎長ライダース/ヤマハ)も3位に定着したようだ。トーハツ改造のJRMに乗る増田武(オールジャパンGP)は1周目ピットイン、その後レースの焦点は石川を追う松村の追込みにうつったが,石川はジュニアの面目にかけて松村をふりきり.最後のレースのチェッカーフラッグをうける栄誉を担った.

ジュニアクラス125cc (8周 約48km)
順位.. 氏名 マシン クラブ名 レースタイム
1 石川敏明 ホンダ 静岡レーシング 23.22.23
2 松村道夫 ヤマハ スポーツライダー 23.39.38
3 青木寛治 ヤマハ 次郎長ライダース 24.17.82
4 小川幸司 ホンダ 西多摩スピード 24.47.67


ジュニアクラスのクラブ・チーム賞

順位.. クラブ名 得点
1 西多摩スピード 38


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