Menu へ
以後、WGPは1983年に350cc、1990年に80ccクラスを廃止し、現在の125・250・500ccクラスにまとまり、参加するマシンは何れも2ストローク・エンジンを搭載するマシンで争われている。
<ホンダ・V4楕円ピストン搭載のNR500>
 その後、1974年にスズキが2ストローク・スクエア4のRGをデビューさせ、伝統の4ストローク・「ファイヤーエンジン」のMVアグスタは、モーターサイクル部門の経営がついに行き詰まり、1975年に撤退・・・、500ccクラスでもヤマハYZR(OW)、スズキRGの活躍から、GPはすべてのクラスで2ストローク・マシンの時代を迎えたといえるのだが、1979年、長くGPから離れていたホンダがついにGP最高峰の500ccに復帰、マシンは時代に逆行するように、4ストローク・V型4気筒のGPマシン「NR」を登場させた、2ストロークの同排気量マシンに打ち勝つために、ホンダは独創の「楕円ピストン」をNRに搭載し、GPに挑戦したものの、残念ながら目立った活躍ができないままロードレースの表舞台から消えていき、「勝つためのマシン」2ストローク3気筒の「NS」が登場、F・スペンサーの手によってタイトルを獲得したことは、ホンダをして「2ストロークでなくては勝てない」ということだった。
<ヤマハYZR500(OW21)>
<MVアグスタ・500cc 4ストローク3気筒>
しかし、350・500の両クラスでは、ヤマハ・スズキ・カワサキの2ストローク市販レーサーが参戦していたものの、依然ワークス・MVアグスタの4ストローク・3気筒(4気筒)の天下であり、今のように日本の2ストローク・マシンが活躍を見せるのは、1973年にヤマハが500ccに2ストローク・直列4気筒のワークスマシン(OW20)を登場させてから・・・だといえる。
<ヤマハの250cc市販レーサー・TD-1>
さて、60年代までは、小排気量はMZ・スズキ・ヤマハといった2ストローク車と、ホンダ・4ストローク車がほぼ五分、大排気量の500ccではご存知MVアグスタ、ホンダを始めとした4ストロークマシンがGPマシンの中心となった構成だったが、60年代後半に、ホンダのワークス活動撤退、350・250・125ccのヤマハ2ストローク市販マシンの活躍から、次第に350cc以下のクラスでは2ストロークマシンで完全に占められるようになった。

WGP(世界ロードレース選手権)の沿革


WGPマシンの変遷(〜2000年)

4ストロークから2ストロークへ


1969年、GPに参戦するワークス・マシンは毎年の性能向上の為の、高騰する開発コスト面から、FIMは大幅なレギュレーションの変更を加えた、50ccは単気筒、125cc・250ccは2気筒以下、350ccは3気筒、500cc4気筒以下に制限され、ミッションもすべてのクラスで6速以下、と現在のレギュレーションの原型が出来上がった。
 しかし、このレギュレーションの変更は、日本車が得意としてきた技術分野である小排気量の精密な多気筒マシンの締め出しともいえるもので、この後、日本メーカーは1973年までワークス活動を休止。
<スズキRK65は12速ミッションを搭載した>
WGPの当初のレギュレーションは、排気量以外に特に規制が無いというに等しく、60年代には高回転・多気筒化が進み、250cc6気筒(ちなみに50年代後半に500ccではMVが6気筒を出走させた)、125cc5気筒(!)、50cc3気筒(!!)・・・更には狭いパワー・バンドに合わせて10速・・・もしくはそれ以上といったミッションを持ったマシンもあった。
日本車(今の国内4メーカー)の参戦は1959年にホンダ、翌1960年にスズキ、1961年からはヤマハが参戦し、カワサキは1966年から参戦。以後、途中休止を交えながら現在に至る(カワサキは現在GP活動休止中)。
1962年に50ccクラスが組み入れられた。これもヨーロッパで「モペッド」と呼ばれる自転車にエンジンを取り付けたオートバイの人気が出、これのレースが愛好家たちの間で行われていたことから始まったと言われる、この50ccは1984年に80ccへと変更される。
<125cc 4ストローク・5気筒のホンダRC149>
WGP(世界ロードレース選手権)は、1949年に2輪ロードレース最高峰のカテゴリーとして発祥した。
当初、排気量別に125・250・350・500・サイドカーの各クラスでスタートした・・・(以後、サイドカーについては割愛)。
 これは、ヨーロッパ各国で販売されていたモーターサイクルの主だった排気量別ということもあり、イギリス・イタリア・東西ドイツ製の・・・つまりはヨーロッパのオートバイが中心に参戦していたのだった。

このペ−ジは、kamesanさんが、以前開設していた「Grand Prix Forum」
http://www.coara.or.jp/~tortoise/gpxtop.htmlより引用して掲載させていただきました。