下に掲載した写真以外に、もっと多くの写真があったのですが、
何故か保存出来ず、そのため、残念ながら掲載出来ません
世界最大のヒストリックモ−タ−スポ−ツイベント
『‘02 GOODWOOD FESTIVAL OF SPEED』の現地レポート


1999年、この地で懐かしのHondaサウンドを奏でてから、今年で4回目の参加となった『‘02 GOODWOOD FESTIVAL OF SPEED』イベント(開催期間:7月12日〜14日)を、今回現地リポ−トとしてご紹介をさせていただきます。
『スピ−ドの祭典:FESTIVAL OF SPEED』とは…

場所は遥かイギリスの地!ロンドンから南下すること約100kmに英国海軍基地の軍港で有名なポ−ツマスから東に約20kmに位置した所に、会場となるGOODWOODがある。1992年から開催されたこのイベントも、今年で10回目という節目の開催となった。
ヒストリックイベントとしては、比較的歴史は浅いものの、開催期間となる3日間で10万人を超える人々を世界各国から集めるとともに、年々エントリー台数が増えてきていると言うから驚きである。これだけを捉えても「世界最大のヒストリックモータースポーツイベント」と称しても、過言ではないと思う。
このイベントの主催者は、英国貴族のマーチ卿。さらにイベントスポンサーには、ベンツ、BMW、GM、プジョー、ポルシェ、Honda、トヨタなどの自動車メーカーを始め、ダンヒルやカルティエといった高級ブランドメーカーもバックアップをしている。(各ブースを見て回るだけでも十分堪能できてしまうのも、このイベントのすごさかな・・・と思ってしまうのは多分私だけではないはず)
そして、舞台となる会場は、マーチ卿が所有する広大な(どの位広いかと言われても数値では表せない程の牧草地と、敷地の中には本格的な競馬場、ゴルフ場、そしてサーキットが設けられている)敷地内にある一般道路を一部閉鎖し特設ステ−ジとして作られたヒルクライムコースを、各マシンが1台づつデモンストレーションという形で走行を行う。とは言っても、コースの巾は狭くスリッピーな路面を各マシンが十分過ぎるスピードで駆け上がって行く姿は、まさに圧巻の一言に尽きる。
さらにコースサイドには、英国特有の牧草を長方形に束ねたセーフティバリアが設置され、観衆がその外側から走るマシンを見て楽しむ風景は、時代感を強く感じさせる粋な演出でもあった。



『10回目の開催となった今年のイベントは…』
 
今年のこのイベントには、デモンストレーション走行車両と展示車両をあわせ約300台がエントリー。古くは1898年に開催されたパリ−アムステルダムレ−スに参加したパナール・ルバッソールから2002年型F1マシンまで、途方もなく年代の巾が広い。また、カテゴリー別で見ても、F1、WRCラリーカー、NASCAR、ル・マンカー、ツーリングカー、ドラッグカー、2輪GPマシンなどなど…車名とそのヒストリーを書き始めたら、間違いなく1冊の本ができてしまう程、歴史的な名車揃いと言っても過言ではない。
そして、このマシンを駆るのは、S.モス、P.ヒル、S.ミラ−など、往年の名ドライバー/ライダーに加え、J.バトン、A.マクニッシュの現役F1ドライバーが名を連ねていた。


ホンダコレクションホールからは、第一期/第二期のF1マシン3台(RA300、RA301、ロ−タス・ホンダ100T)と第一期2輪GPマシン3台(RC149、RC162、RC174)の計6台がエントリー。各マシンをドライブしたのは、J.サーティース、D.サリバン、中嶋 悟、R.ブライアンズ、S.グラハム、T.ロブ、J.レッドマンといった、Hondaとともにモータースポーツに歴史を刻んできたドライバ−/ライダー達。名だたる名車ぞろいの中にあって、一際観衆の注目を浴びた組み合わせであったとともに、モータースポーツ史において、Hondaがいかにインパクトがあったかは、ファンの目つきと反応を見てすぐに感じることができた。
まさにGOODWOODの会場は、古今東西のモータースポーツシーンが、この3日間に凝縮されたイベントであり、ゆえに歴史は浅くとも「世界最大のヒストリックモータースポーツイベント」と言えるのではないだろうか!

『モ−タリ−ゼ−ション文化の違いと差…』


今回エントリーした大半のマシンは、特設のパドックテントエリアに集められ、観衆が自由に行き来できるようになってはいたが、あまりにも人が多くじっくりマシンを眺める余裕は正直ないと思う。
特に、走行前のエンジン暖気時には、そのマシンの周りは黒山の人だかりになってしまう程で、当然人気の高いHondaテント周辺でも同様以上の事態となったが、不思議と平然としてHondaサウンドに耳を傾け、最後に大喝采!!
こうなるとメカニックも回を追うごとに良い音を聞かせたいと、パフォーマンスを繰り広げ、まさに観衆とエントラントが一体となって楽しんでいる風景があちらこちらで見かけられた。・・・残念ながら、日本にはない独特の雰囲気かも知れない。
また、ファンとドライバー/ライダ−の接点の多さにも驚かされた。サインを求められたら気さくに応えるのは当然の事。「ヘイ!ジョン(J.サーティース)」とファンに声をかけられしばし話しが弾んだ後、J.サーティースに知り合いかと尋ねた所、「NO」と返事が返ってきた。何を話していたのかは分からないが、まるで昔からの友人関係を想わせるほど、気さくな雰囲気が、これまた会場のあちらこちらで見かけることができた。
さらに感心をしたのは、親子の対話の場面!きっとマシンの説明や当時のレースシーンの思い出を子供に語っていたのかも知れないが、子供も真剣に耳を傾け、時には質問をしたりといった様子を見ていると、この様にしてモータリゼーション文化が継承されて行くのかも知れないと強く感じた。
それにしても、なぜ欧米では日本では考えつかないほどの壮大なモータリゼーションイベントが数多く開催されるのだろうか・・・。
歴史的には差はあれど、日本のオートバイや自動車産業の歴史も既に半世紀以上も経つのに、文化に関してはまだまだ発展途上なのかも知れないと強く感じる場面が多々あり、違いと差を実感しつつホンダコレクションホールの役割の重さをあらためて感じるとともに、将来日本でもこんなイベントができたら・・・などと夢が膨らんだ。
『最後に…』

初のGOODWOODイベント体験!正直イベントの規模・歴史の深さ重みに圧倒されっぱなしの中でのリポ−ト作成。『GOODWOOD FESTIVAL OF SPEED』の魅力、そしてモータリゼーション文化の素晴らしさや大切さを上手く伝えきれなかった自分自身を反省しております。
しかし、今年は日本のメディアが多数取材に来ておりましたので、このリポ−トで少しでも興味を惹かれた方がいらっしゃいましたら、是非雑誌などを読んでこのイベントの素晴らしさを感じでいただければと思っています。
最後にひと言。遥か地のイベントではありますが、できることならご自身で体験されることをお勧めいたします。きっと、かけた費用と時間以上の感動が得られることと思います。

神杉 進



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 Goodwood Festival of Speed
 参加ライダー/ドライバーとマシン
走行車両
  ・RA300(1967年)
・RA301(1968年)
・ロータスホンダ100T(1988年)
・RC149(1966年)
・RC162(1961年)
・RC174(1967年)
ライダー・ドライバー
  ドライバー:J.サーティース、D.サリバン、中嶋 悟
ライダー:R.ブライアンズ、S.グラハム、T.ロブ、J.レッドマン
6月14日もてぎ事前テスト走行したマシンとライダー・ドライバー
2輪走行車両
  RC162(1961年)
RC149(1966年)
・RC166(1966年)
RC174(1967年)
・RS125R-W(1982年)
・NSR250(1994年)
4輪走行車両
  ・CURTISS Special(1924年)
RA300(1967年)
RA301(1968年)
・CIVIC(レース仕様車)(1984年)
Lotus HONDA 100T(1988年)
・CIVIC Type-R(1998年)
※赤文字はグッドウッド遠征予定車両
ライダー・ドライバー
  高橋国光、中子 修、辻本 聡、宮城 光(敬称略)
6月14日のもてぎ事前テスト
RC149
RC162 RS125R-W (1982)
Goodwood Festival of Speed
ホンダテントの様子 RC149:R.ブライアンズ
J.サーティーズ RA300
ロータスホンダ 100T:中嶋悟
2002年7月12・13・14日
 
Goodwood Festival of Speed(2002)