Dutch TT（オランダＧＰ）はAssenで開催されるが、宿泊HotelはAssen郊外の静かな田舎の村NorgのHotel Karstenを常宿とした。私は１９６２年と１９６４年の２回Dutch TTに参加した。このHotelのコック長はインドネシア料理が得意で、味が日本人向けで食事が楽しみだった記憶だ。第２次大戦までインドネシアはオランダの植民地であったから、インドネシア料理もオランダに普及したのであろう。
　Norg村は、村の中心部から一歩はづれると、道路の両側は林で、道路に良く鹿が出てきて車にぶつかり、鹿が死亡する事故があるという話を聞いた。
　ある日、死亡した鹿がHotelに持ち込まれ、解体するのを見ることになった。鹿は十字架のキリストのように、壁に打ち付けられ、そして腹をさかれ、内蔵を掻き出され、水道のホ−スで内部を洗浄される情景を見てしまった。
　翌日からは、この鹿肉の料理ばかり・・味付けはインドネシア風でおいしいのだが、解体の状況を思い出して、食欲は半減・・。
　今でも、この解体作業の情景は鮮明に記憶に残っている。