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                        特集1959年第3回浅間火山レース(1)

 1959年浅間火山レースは,8月22,23,24の3日間,浅間高原自動車テストコース,1周9.351キロに於て華々しく開催された。このレースは,わが国モーターサイクル界最大の行事であり,モーターサイクリストの年に1度の祭典でもある。今年は日本モーターサイクルレース協会,全日本モーターサイクルクラブ連盟の共催によって,
工場レーサーを主体とする「耐久レース」と,クラブマンによるロードレース「第2回全日本クラブマンレース」が行われた。
 地底をゆする豪快な爆音は,清澄の浅間高原にこだまし,参加選手は日頃鍛錬の技量を遺憾なく発揮,とくに耐久レース125ccクラスでは招待出場のクラブマンが,工場レーサーに勝つ殊勲の成績をあげ,全種目ともに新記録に輝き,全国から参集の約7万の観衆を,スピードとスリルの饗宴に酔わした。

■車両と服装検査

 レース開催日の前日21日は,車両,服装検査日でこの日は快晴に恵まれた。早朝から入念に整備されたレーサーが,続々とレース場観客席背後の検査場広場に運ばれた。定刻9時,125ccクラス耐久レース出場の工場レーサーから検査が始められた。2サイクルツインのトーハツLDはカウリングを純白に塗り,2サイクルのライトクルーザーSLは,小さなカウリングと車体は朱色に塗りあげられている。そして今年いかなる結果を生み出すか,注目のコレダRB,そしてT.T.レース出場など豊富な経験をもベンリイRC142−4サイクルツインは,濃紺の車体と銀色のエンジンが印象的である。
 250ccクラスでは銀色のカウリングをつけたライラックLS18Rl−4サイクルX型ツイン,朱色に塗りあげられたクルーザーSC,それにわが国最初の4サイクル4気筒のドリームRC160が静かに検査員の前に運ばれてくる。さすがにエンジン部はボリュウムがあり,4本の排気筒は夏の日差しをうけて目にまぶしい。レース当日の快速に期待をかけられる。車体はサモン・ピンクで実しく塗りあげられている。250ccクラスに敢然挑戦するフジモーターFMC 2サイクル200ccも検査が終った。500ccクラスの昌和ホスクSH 4サイクル498cc,BMW R50の500cc,そして,メグロ 4サイクル498ccの重量車陣が手ぎわよく処理され,各車ともシート後部に検査終了の,丸に「K」のスタンプが押され レース当日まで審判部に保留された。
クラブマンの出場車も係員の手によって検査が進められている。この方はちょっともめた。練習申破損した出場予定車の変更についてである。規定では選手及び車両の変更は一切認めないことになっていたが,結局同ccでさえあれば,他の銘柄のものであっても,21日午後7時まで審査委員に申し出でがあれば,その変更は認める。この検査は後刻「山楽荘」に於て行うことになった。

大会第1日 8月22日

■華やかなるクラブマンの入場

 レース開催第1日日,22日は静かにあけた。雲が多いが晴れている。早朝からレース場は参加車の爆音と,続々とつめかける大観衆に湧き立つ。今年から設備された観客席は忽ち数万の人垣がつくられる。今日のレース種目はクラブマンレースだけだ。
 レーサー置場には続々と出場車が入ってくる。互いに健闘を約束しあう選手たらは一面なごやかではあるが,整備員たちは黙々と整備にはげみ,エンジン調整の爆音とともに場内は異様な緊張感につつまれる。
 やがて定刻8時,入場開会式がアナウンスされ,群馬県警のプラスバンドの奏楽とともに大会気分はいやがうえにも高まる。いろとりどりの各クラブ旗を先頭に,出場選手をいたわりながら,そめ服装も自由な姿でニコヤカに入場するクラブマンたち,それにひきかえ,黒一色のレーサー服に身をかためた耐久レース出場選手団は,すっかりこの華やかなるクラブマンの入場におされ気味で,メーカー別に隊伍をくんで黙々と入場してくる。
 君が代の吹奏裡に国旗及びレース協会,クラブ連盟旗の掲揚,続いて総裁高松宮殿下挨拶(竹崎会長代読)竹崎会長挨拶など各役員挨拶があり,井上武蔵選手代表の宣誓があって,いよいよ第1レース(クラブマン350,500,501cc以上)が開催された。

クラブマン350.500.501cc以上各レース

混戦! 勝者の判断もつかず

350ccクラス・野口種晴、500ccクラス・高橋国光、501cc以上クラス・吉田 治 勝つ


 出場選手は501cc以上がトップラインに9車,500ccクラスがセコンドラインに14車,350ccクラスは13車ラストラインに並ぶ,このとき審判部からルールの発表がある。
 発走は耐久レースはエンジン停止の状態,クラブマンレースはエンジン始動の状態で自力で行うと規定にあったのだが,このレースではエンジン停止の状態と変更された。面喰った選手は,この停止発走の訓練ができていないせいもあって,車両にまたがるもの,キックスタートに足をかけるもの,あわててスタンドを立てるものがある。車両にまたがっているものと,キックに足をかけているものは違反となるので審判部員から注意がある。しかし精神的な同様は蔽うべくもない。多田スタートマンは黄旗を頭上高く交叉させた。2分後ホイッスル。そして,スタート旗は黄旗にかわってあげられた。3秒後にスタートである。場内は一瞬かたずをのんで静まる。
 やがて午前9時10分。スタート旗は打ちおろされた。瞬間爆音は高原一帯にこだまする。350cc・クラスに出場のなかには2車の2サイクル,615番野口ヤマハ,610番鳥羽ヤマハ各260ccは,スタート旗の合図とともにキャブティクラーを押しオーバーフローにしてキックをふむ。この繰作だけでも、瞬時をあらそうスタートであるだけにエンジン停止の状態でのマス・スタートは,2サイクルにとっては不利だ。
 しかし全車殆ど好調にスタート。653番大竹BSA少しおくれる。56Rには615番野ロ,708番吉田BSAが先頭で乗り入れる。スタートおくれの653番大竹は50Rは24番目あたりで飛び込んだが,センセイショナルストレートでは物凄いスピードで各車を交し,100Rでは19番目で通過。610番鳥羽100R地点で落車負傷。救急車が飛ぶ。
 第1周目はトップ705番の石橋と続く708番吉田各BSAは伯仲,鳥羽の脱落で,単騎となった2サイクル車の615番野口ヤマハは6番目で審判台前通過。第2周目に入って大森カーブでは3番目の652番高橋BSAは2番目の708番吉田を交す。高橋は昨年350ccクラスのチャンピオン。
 第3周に入って652番高橋は50R地点からセコンドファイトの直練にかけてさらに駿足をのばして705番石橋を抜さトップに立つ。山下りから大森カーブに至る間で3番目708番吉田は705番石橋を抜き2番目につく。審判台前は652,708,705の順で通過。
 4周目に入ってヘアピンコーナーで3位の705番転倒,この内に656番石井,665番藤
井の各BSAに抜かれて5番目となる。またこの地点で6番目を走っていた本命と目される664番杉田ホスクは右転倒脱落。
 5周目に入って50R地点からセコンドファイトにかけ,708番吉田俄然飛ばして652番高橋を抜きトップに立つ。5番目を走る705番石橋1K地点でエンスト脱落。審判台前は708,652,656,それに1周オクレの601番の藤野ドリーム。トップから4番目になる665番,あとは1周オクレの6車が続き,トップから,5番目となる702番矢矧(プログラムの矢淵は誤り)BSAと続く。
 6周目でもトップクラスの708,652,656,665番はその順位を変えない。しかしこの間には1周オクレ2周オクレの各車がトップ陣に交さくし,この回までの完走26番のうち,501cc以上,500cc、350cc各クラスのトップは何番目を走っているのがそれであるか,余ほど熟練したものでなければそれがにわかに判断しがたい。着位のことを念願に入れなければ,重量車陣の猛烈な排気と砂塵は後続車を蔽い,観察にはまきにスピードとスリルのダイゴ味である。まことに混戦とはこのようなレースをいうのであろう。6周目の審判台前を13番目で通過した615番野ロは,350ccクラスではトップであり、25番目でヘアピンを通過した659番上代アリエルはここでエンスト脱落したが、彼は500ccクラスでは6位である。
 この混戦裡に7周目のラストラツプに入る。7周目のゴールは708吉田BSA(501cc以上のトップ)652高橋BSA(500ccクラスのトップ)656石井BSA(同2位)665藤井BSA(同3位)と順当に入り、1周おくれの各車に続いて501ccクラス第2位の702矢矧BSA,
500ccクラス第4位の661中田BSA、また1周おくれ、2周おくれの各車を置いて、350ccクラス第1位の615野口は、2サイクル車独特のカン高い排気音をコダマさせてゴール。
 しかしまだ栄光のチエック旗は振られない。どうしたことであろうか。そしてゴールしたはずの各車はまだレースを続けている。トップの708番はすでにプールに入っている。やがて10時20分レース終了の花火があがった。
 審判部では,このレースは混合戦セあるから,持ち時間一杯各車を走らせ,その間のラップは各車のピットで指示している筈だという。全然これが徹底していない。もしこのようにオールタイムレースとすれば,7周目にはフイニッシュ旗を振って、ゴールした選手にはあとの周回はタイムをとらない旨を審判部は知らせる義務がある。実際的にみてもそれが正しい方法な筈である。審判部の意向は一応聞くとしても、全くこれは世にも不思議な前代未聞のレースとなった。レース自体の混戦のせいか、審判部での成績発表も再三やり直し、選手団からの抗議などもあって一時は紛争もあるやに思われたが、選手諸君の良識によって、一応正式タイムの発表はあすということでおさまった。しかし初日第1レースから大きなミスであった。
 500ccクラス1位から3位までの高橋、石井、藤井、350ccクラスの野口、阿久津、高岡はいづれも耐久レース招待出場者としての資格を獲得した。

7周(65.557km)
350cc. 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速
1 615 野口種晴 26 ヤマハ(260) 41.22 95.2
2 608 阿久津孝昌 24 ドリ−ム(305) 43.00 91.6
3 603 高岡恭之 24 ドリ−ム(305) 43.45 90.0
4 611 本郷恭敬 19 ドリ−ム(305) 45.25 86.8
5 606 大野宇佐夫 24 ドリ−ム(305) 47.00 83.9
6 612 森井伊三男 26 ドリ−ム(305) 47.33 83.5
7 601 藤野謙三 16 ドリ−ム(305) 49.07 80.2
8 609 北 逸夫 24 ドリ−ム(305) 49.16 80.0
500cc. 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速
1 652 高橋国光 19 BSA 38.02 103.3
2 656 石井義男 25 BSA-A7 38.21 102.6
3 665 藤井 一 24 BSA-A7 38.24 102.5
4 661 中田義信 27 BSA 40.45 96.6
5 653 大竹滋之 30 BSA 43.34 90.5
6 662 久保川栄造 34 トライアンフ 47.19 83.2
7 658 小谷 彰 23 BSA 47.48 82.4
8 657 中村 孝 29 メグロ 49.16 80.0
501cc以上. 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速
1 708 吉田 治 23 BSA-A10 37.51 104.0
2 702 矢矧富治 20 BSA-A10 40.24 97.5
3 704 佐藤祐二 21 トライアンフ サンダーバード 41.52 94.1
4 707 本田 広 29 トライアンフ 42.23 92.9
5 703 塩崎和彦 29 トライアンフ T110 45.07 87.4
6 710 木村勝亮 24 トライアンフ TR6 50.14 79.5
7 711 市川重美 26 BSA ゴールデンフラッシュ 50.48 77.5
8 713 橋本 昇 25 トライアンフ サンダーバード 50.56 77.3


クラブマン125ccクラスレース

北野 元 ベンリイ快勝


 出場車数40車・このうちべンリイSSまたはC−90が24台で過半数をしめている。これに続いでヤマハYA1が12台。
 レースは午前11時開始された。俄然ダークホースの430番北野ベンリイ砂塵をまいてトップに立つ。これに450番吉村ベンリイが続き,さらに416番増田は着実なペースで追いあげた。4位は439番の沢畑ベンリイ。5位427番の飯島ベンリイと,100R地点のトップクラスはアすべてベンリイ。ホームストレッチでは416番増田は450番の吉田を抜いて2位に入る。3位450番吉村、4位には439番の沢畑をホームストレッチで抜いた429番橋本ベンリイが入る。
 2周目に入ってトップの430北野を416増田g追い上げる。各コースともこのトップクラスの息づまるような接戦に早くもエキサイトする。2周目ホ一ムストレッチでは416番増田は430北野を抜きトップに立ったが,3周目に入って1K地点では再び430北野トップを奪い返し,センセイショナル・ストレイトでは見ごとなスピードをみせてぐんぐんその距離をはなすが,ヘアピンコーナーそして大森カーブなどでは416番増田よく食いさがって離れない。審判台前ではその差わずかに40米位。またこれを追う3位450番吉村は約50米差。ここで1周オクレの437小林タスが入り,約1キロ差を開いて4位の429番橋本が通過1周目8位,2周目7位と着々と各車を交してトップ陣に迫っていた448番森下ヤマハは6位で通過,上位のベンリイ陣に迫るヤマハはわずかにこの森下のみ。
 4周目に入って4位の429番橋本カスミのカーブ附近からエンジン不調、100R地点では各車に抜かれて10位におちる。4周目はトップに430番北野,このベンリイは直線では実によくのびる。2位の416番増田を約1キロ差をつけゴール。この大会で初のチェック旗がふられる。続いて416増田、450吉村、439沢畑,そして5位には448森下ヤマハが飛び込む。以下19位まではすべてベンリイ,20位に418内田ヤマハが入る。完走率でみるとベンリイは100%、ヤマハ6車脱落で50%。
 入賞3位まで,北野,増田、吉村の各ベンリイは耐久レース招待者の資格を得る。

4周(37.504km)
順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速 . 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速
1 430 北野 元 18 ベンリ− 23.55 94.1 17 409 杉原 進 37 ベンリ−SS 28.17 79.6
2 416 増田悦夫 22 ベンリ− 24.30 91.9 18 410 渡辺 將 24 ベンリ−C-90 28.17 79.6
3 450 吉村善光 18 ベンリ− 24.55 90.3 19 403 山口文男 22 ベンリ−SS 28.28 79.1
4 439 沢畑 実 19 ベンリ− 25.56 86.8 20 408 中島信義 28 ナカジマ 28.43 78.4
5 448 森下 勲 21 ヤマハ 26.05 86.3 21 421 大久保近芳 33 ベンリ−C-90 28.45 78.3
6 428 武石光雄 21 ベンリ− 26.26 85.2 22 411 柱田吉雄 19 ベンリ−C-90 29.02 77.5
7 427 飯島義二 24 ベンリ− 26.38 84.5 23 418 内田鉄蔵 18 ヤマハYA-1 29.02 77.5
8 429 橋本富蔵 18 ベンリ−SS 26.43 84.3 24 415 出羽猛治 21 ヤマハYA-1 30.08 74.8
9 417 広田豊和 21 ベンリ−SS 26.46 84.2 25 438 板倉和夫 23 ベンリ−SS 30.18 74.3
10 444 渡辺健吉 31 ベンリ−SS 26.46 84.2 26 434 松本栄太郎 29 ベンリ−C-90 31.02 72.9
11 431 生垣照雄 31 ベンリ−SS 26.47 84.1 27 436 黒淵久男 23 ベンリ−C-90 32.50 72.2
12 445 栗原正之 23 ベンリ−SS 27.07 83.0 28 406 清水豊秋 29 ヤマハYA-1 33.26 67.3
13 433 池野 誠 24 ベンリ−SS 27.09 82.95 29 435 相原正義 21 ベンリ−SS 33.35 67.0
14 422 大沢 ワ 28 ベンリ−SS 27.13 82.6 30 414 中谷幹夫 21 BSA 34.35 65.1
15 405 辰巳 明 17 ベンリ−SS 27.35 81.6 31 440 長谷川 武 25 ヤマハYA-1 37.03 60.7
16 423 黒沢元治 18 ベンリ−SS 27.44 81.2 32 442 中山弘道 23 ヤマハYA-1 40.14 56.0


クラブマン250ccクラスレース

北野 元 ドリーム2級制覇・・・


 この250ccクラスレースは,出場台数が多いので,2レースに分けて行われ,そのタイムによって順位を決定することになった。
 第1レースは12時30分から1時20分まで,第2レースは午後1時50分から2時40分まで行われた。
 第1レースでは350ccクラスのチャンピオンとなった野口選手はヤマハで,また125ccクラスの第2位増田悦夫選手はドリームで,練習中の負傷が完全に憑えきっていない望月選手もヤマハで出場した。レースは割に順調に進み505増田ドリームは1周目からトップをとり,530野口ヤマハこれに続き,この第1,2位は最終回までかわらず,3位4位は527南ドリームと523桑本ドリームが3周,4周目で扱きつ抜かれつの接戦の末,523番桑本3位,527番南4位に入る。5位は524下良ヤマハ。
 第2レースでは125ccクラスのチャンピオン北野がドリームで出場。この569番北野ドリームは断然強く1周目からトップに立ち,2位の541久野ドリームを1キロ差、2周目では2キロ差と大きく開き,125ccに続いて2度目のチェック旗の栄光をトップで受ける。昨年のこのクラスのチャンピオン560笠原ドリームは,1周目ヘアピンで落車脱落,笠原と接触して557折懸ドリーム転倒負傷脱落。
 タイム計測の結果,別表成績表の通り1位569北野ドリーム,2位505増田ドリーム,3位530野ロヤマハと決定。この3者は耐久レース250ccクラスの招待出場者となる。しかも,北野選手の時速103.8kmは,クラブマンレースにおける第2位となった。第3位は高橋選手BSA500cc時速103.4kmである。125,250cc両クラスにわけろ優勝とこの記録はまさに1959年浅間火山レースにおける最も輝やかしいものとなった。

5周(46.855km)
順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速 . 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速
1 569 北野 元 18 ドリ−ムSS 27.03 103.8 21 533 古山長治 20 ヤマハYDS 33.24 84.1
2 505 増田悦夫 22 ドリ−ムSS 27.48 101.2 22 576 室町 明 18 ヤマハYD 33.37 83.7
3 530 野口種晴 26 ヤマハYDS 27.52 100.9 23 534 佐藤久夫 23 ヤマハYDS 33.37 83.6
4 523 桑本博之 24 ドリ−ムSS 28.24 99.0 24 571 中島徹男 22 モナークFI 34.17 82.1
5 527 南 尚孝 21 ドリ−ムSS 28.38 98.3 25 511 三浦 敬 22 ヤマハYD 34.20 82.0
6 541 久野 勇 28 ドリ−ムSS 29.18 96.0 26 544 根本義雄 20 ヤマハYDS 34.40 81.1
7 524 下良隆夫 26 ヤマハYDS 30.06 93.5 27 548 丸山松夫 33 ドリ−ムC71 35.26 79.3
8 510 渡辺健吉 31 ドリ−ムSS 30.43 91.5 28 555 藤岡八郎 28 ヤマハYD 35.33 79.1
9 513 橋本猛司 21 ヤマハYDS 31.12 90.0 29 567 増田正美 31 ヤマハYDS 36.03 78.0
10 529 望月泰志 28 ヤマハYDS 31.12 90.0 30 516 笠井真吾 25 ヤマハYD 36.06 77.9
11 553 益子 治 22 ヤマハYDS 31.21 89.7 31 504 市川勝夫 25 ヤマハYDS 36.18 77.5
12 536 鈴木誠一 22 ヤマハYDS 31.27 89.5 32 552 木暮幸雄 20 ヤマハYDS 36.23 77.2
13 532 関 瑛一 18 ヤマハYDS 31.41 88.7 33 559 平山 巌 20 ヤマハYDS 37.00 76.0
14 537 半場精一 27 ドリ−ムSS 31.54 88.2 34 565 浅田光春 25 ドリ−ムC71 37.11 75.6
15 554 小川義治 19 ドリ−ムSS 32.03 87.7 35 528 竹下他美勇 23 ヤマハYDS 38.34 73.0
16 519 前川義弘 21 ヤマハYDS 32.07 87.6 36 543 三五章夫 21 ドリ−ムSS 40.48 69.0
17 549 水間健之 28 ドリ−ムC71 32.25 86.8 37 575 三吉邦男 20 メイハツクラウン 42.05 66.8
18 520 戸井 豊 20 ドリ−ムSS 32.33 86.2 38 546 村上賢一 29 コレダTP 42.28 66.2
19 545 宮島 樟二 21 NSUマックス 32.56 85.4 39 570 藤井慶祐 29 NSUマックス 42.36 66.1
20 564 岡崎昭一 28 ヤマハYD1 33.16 84.6 .


クラブマン国際レース

石橋 保 BSA勝つ


本大会第1日目の最後を飾るメインエベント、クラブマン国際レースは午後3時40分から行われた。
 この国際レースは、車両は勿論のこと、外人選手との、交歓もその目的のひとつであり,クラブマンとしての技術そして車両のチュウニングアップなど,ファンにとって見逃し得ない豪華なレースである。
 しかし,最初申込みの選手27人のうち,折懸選手はさきの250ccレースで負傷のため出走取消しはやむを得ないとして,このほか唯一の外人選手であるJ・ベネット選手など9人もの出走取消しがあり,実際出場者は僅か17人となった。一寸淋しいメインエベントレースである。
 重量車陣の轟音と,2サイクルのカン高い高周波音が入りまじって物すごいスタートである。904近藤ヤマハ、907吉田BSA,909落合ヤマハともに出おくれる。カスミのカーブをすぎてファーストファイトコース間で,903益子ヤマハ,909落合ヤマハ,914島崎ドリームはエンスト脱落。50Rには920石橋BSAがトップで飛び込む。続いて926佐藤ドリーム;912番中田BSA、913伊藤BMW。この地点、907吉田BSAふられて脱落。ヘアピンでは926佐藤がトップを奪い,913伊藤BMWがこれを追いあげてくる。各車トップクラスの差は50米から100米ぐらいの接戦。しかしホームストレッチでは913伊藤BMWが早くもトップに立ち,後続との差を1K近く離している。早くも駿足伊藤の本領を発揮。2周目では2K地点で3位を走っていた915高橋国光BSAエンスト脱落。12車に減る。
 6周目に入って独走の感を抱かせたトップの613番伊藤BMWは,セコンドファイトすぎたあたりでストップ。ドライブ関係の故障。トップは926佐藤ドリームに変わる。
 9周目に入って2K地点で,6位を走っていた927杉田ホスクエンスト,再始動によってヘアピンまで走らせたがこの間10位におち,ついに再停止。万事休す。またまた大森地点でトップ926番佐藤ドリームエンスト不調。3度トップは変って910石橋BSAが先頭を切る。このとき完走するもの9車。この中に917砂子,920大石両ヤマハ4,5位で健闘している。
 ゴールは910石橋BSA,912中田BSA,924渥美ドリーム,917砂子,920大石の順で入る。
 かくて第1日目の激戦は終り,表彰式にうつる。この日 東京サイクロンは総合21得点をあげ首位を不動のものとした。次位はホンダスピードの11点。

10周(93.610km) 【CCオープン】
順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速
1 910 石橋 保 25 BSA 650 54.32 103.1
2 912 中田義信 27 BSA スーパーロケット 55.32 101.2
3 924 渥美 実 22 ドリ−ムCR76(305) 55.40 100.9
4 917 砂子義一 27 ヤマハYDS(250) 57.10 98.3
5 920 大石秀夫 21 ヤマハYDS(250) 59.17 95.0
6 904 近藤敏男 19 ヤマハYDS(250) 61.31 91.4
7 921 本田 広 29 トライアンフ 63.10 89.0
8 908 久野 勇 28 ドリ−ムCR76(305) 63.49 88.0


第2日目8月23日

クラブマン50ccクラスレース

吉村喜光 スーパーカブ優勝


この種目は本年初めて。スーパーカブ,ヤマグチオートペットが多い。あいにくの雨でコースは悪い。22×2.25の細身のタイヤは路面に食い込んで走れまい−そんな心配もする。雨の小やみを待ち,9時25分スタート。
 1周でおわりだ。ともかく頭をとるに限る。306吉村スーパーカブ断然スパート。トップに立ちそのまま逃げきってゴール。321生沢スーパーカブ,本大会参加選手の最年少で16才。50Rで6位,ヘアピンでは2位に躍進し見ごとゴール。出走20車,完走17車。85%の好成績である。

1周(9.451km)
順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速 . 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速
1 306 吉村善光 17 ス−パ−カブ 8.32 66.5 9 323 荒井文雄 27 ス−パ−カブ 9.48 57.8
2 321 生沢 徹 16 ス−パ−カブ 8.43 65.0 10 318 中谷 孝 39 オ−トペット 10.04 56.3
3 302 飯島義二 21 ス−パ−カブ 8.56 63.4 11 315 外川一雄 30 ス−パ−カブ 10.05 56.2
4 322 奥津靭彦 23 ス−パ−カブ 9.09 62.0 12 308 中須良一 17 ス−パ−カブ 10.09 55.9
5 311 西久保功 21 オ−トペット 9.15 61.3 13 317 関 瑛一 18 オ−トペット 10.12 55.6
6 303 岩谷隆治 25 オ−トペット 9.24 60.3 14 314 伊藤敬三 17 ス−パ−カブ 12.26 45.6
7 312 小美濃隆昌 21 NSU 9.29 59.8 15 310 青木忠雄 33 ス−パ−カブ 12.32 45.2
8 320 市浦 潤 19 ス−パ−カブ 9.45 58.3 16 305 久島国士 21 オ−トペット 12.51 44.1


耐久ウルトラライト(125cc)級レース

北野 元 クラブマン栄冠を獲得


 この日朝から雨。しかし10時近くに漸くやむ。日曜日のこととて観衆はこの頃になってどっと押し寄せる。3万或いは4万ともいわれる。
 本大会最初のメーカー耐久レースである。トップラインアウトコースに招待選手のクラブマン・チャンピオン108北野ベンリイと,T.T・レース6位の覇者107谷口ベンリイが並ぶ。谷口は車両の左に,立っている。
 10時30分スタート。107谷口ベンリイ頭で飛び出す。108北野ツーキック,谷口との差約50m。しかし50Rでは早くも107谷口ベンリイ,108北野ベンリイの順。1周目審判台前は107谷口,105伊藤光夫コレダ、108北野ベンリイと続き・コレダ2サイクル陣の活躍が目ざましい。2周目に入るや105伊藤コレダ50Rで右転倒。9位に落らる。3周,4周ともに107谷口,108北野1,2位変らない。5周目山下りの地点で本命107谷口落車。エンジンストップ。その間に108北野トップを奪い,その駿足少しもおとろえず,他のメーカーレーサーを1K余はなして寄せつけずにゴール。トップでチェック旗をうけ,耐久レース125ccの栄冠はクラブマン招待選手に輝く。104鈴木淳三ベンリイ、3周目6位,8周目ヘアピンで2位につき,猛然と108北野を追ったがついにその差約1Kは短縮できず2位に止まる。この間雲ひくくたれ,浅間の山容は姿を消し,コースでは各車猛然とせり合う。12周日のなかば漸く雲の切れ間に陽がさす。コースは雨で濡れ,埃もたたず,むしろコンデイションは良好といえる状態であった。14周目,ゴールするもの出走車21車のうちわずかに7車。33%の完走率であった。
 入賞4位まではベンリイ。5位に119市野三千雄コレダ,6位に110有川トーハツ,7位106花沢トーハツ。109野地トーハツは14周50R地点まで健斗したがおしくも時間切れとなる。

14周(131.014km)
順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速 ベストラップ(分・秒)
1 108 北野 元※ 18 ベンリイSS92 84.10 93.4 5.51
2 104 鈴木淳三 28 ベンリイRC142 84.21 93.2 5.52
3 114 藤井璋美 28 ベンリイRC142 85.33 92.9 5.57
4 121 福田貞夫 25 ベンリイRC142 85.42 91.7 5.56
5 119 市野三千雄 25 スズキ RB 85.49 91.4 5.50
6 110 有川英司 25 トーハツ LD 90.33 87.2 5.58
7 106 花沢 昭 27 トーハツ LD 98.46 79.6 6.12
※はクラブマン招待選手


クラブマンベテランレース

鈴木三郎 ヤマハ断然強し


 2日目の第3レースは45才以上のライダーによるベテランレース。ccはオープン。昔とったキネヅカ?を振るうレースである。これも今年初めての種目。
 午後1時30分スタート。昨年125ccクラスでチャンピオンとなった753鈴木三郎ヤマハ断然強く、本部前からトップに立ったまま見事なコーナーワークを見せて50R,100Rコーナーも乗り切りゴール。続いて765橋本トライアンフは左肩骨を練習中負傷していろが,これを押しての出場。トップを激しく追い2位でゴール。3位の754杉平ヤマハに大きく差をつける。
 タイムは1位鈴木ヤマハが6分46秒。平均時速では82.7km/h。まずまずといったところである。

1周(9.451km)  【CCオープン】
順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速
1 753 鈴木三郎 45 ヤマハ(250) 6.47 83.6
2 756 橋本勇吉 46 トライアンフ(650) 6.58 81.5
3 754 杉平芳助 47 ヤマハ(250) 7.45 73.2
4 751 大沢喜良 54 トーハツ(200) 7.59 71.0
5 752 柴田貞三 50 キャブトン(350) 9.04 62.5


耐久ライトウエイト(250cc)級レース

ドリーム4気筒レーサー全車完走(島崎貞夫優勝


 午後になって雨はやんだが,高原一帯は濃霧におそわれた。本部席にはレース開始前に,楢橋運輸大臣の顔も見え選手に対する激励があった。このレースには大臣杯が出されている。
 このレースでの圧巻は何といっても来年の英国TTレ−スを目標にして造られたという,ホンダの4サイクルohc 4気筒250ccレーサーにかける期待と興味である。クラブマンレース入賞の招待者は166の増田ドリームと168の野口ヤマハの2人だけ,北野チャンピオンは辞退している。
 スタートは午後2時10分166増田ドリーム出おくれる。他は見事に一斉に飛び出し、’カスミのカーブへ吸い込まれていく。50Rには159鈴木義一、163島崎貞夫、156佐藤幸夫のホンダ4気筒レーサー,続いて168野口種晴クラブマンのヤマハが続く。第2コースはこの順位のまま50mの近差で快走して行く。5位の151大軒ライラックにこれから約500m差と開く。152田中健二郎ホンダは151を抜き5位につく。第2周目審判台前ではさらに168野口ヤマハを交して第4位につき、3周目ではさらに8K地点で,156佐藤も抜いて3位に躍進。4周目に入ると濃霧は100m先の視界をさえぎる。5周目審判台前は159、163、152のホンダ4気筒車陣、つぎに168野口ヤマハがすぎる。益々霧褒は深まる。ヤマハの高周波音はこの霧海をつんざくように響く。7周目50Rでは159、163、152、168の各車は一車身差,接戦である。このとき159鈴木ヘアピンまでの間に3位に落ち、審判台前は163、152、159、168とすぎる。8周目100R地点から右大曲にかけて、168野口ヤマハは159鈴木ホンダを交して3位に食いこむ。159鈴木ホンダは審判台前方でゴーグルを捨てる。すでにこの頃になると1周オクレ,2周オクレがトップ陣に交さくする。9周目になって霧やや晴れる。11周目懸命に168野口ヤマハを追いかけていた159鈴木ホンダは大森カーブでこれをとらえて見事に交し3位につく。ホームストレッチ本部前で6位の168野口ヤマハはピットに入る。故障らしい。12周目は152、163、159の4気筒レーサーと166番クラブマンの増田の各ホンダ車は,他車を相当離して審判台前を通過する。ピットに入った168野口ヤマハついに動かず、1周オクレとなり、野口やむなく車をおりる。16周目のラストラップに入ってトップの163島崎ホンダ一度ヘアピンコーナーでは159鈴木と入れ替わったが、再びホームストレッチでトップを奪い、163島崎、152田中健二郎、159鈴木の各4気筒レーサー,続いて166増田のドリームSSと続々ゴールイン。あとは156佐藤。154の田中髀4気筒レーサーがゴールイン,7位に157長谷川クルーザーが2周オクレで入る。トップクラスの伯仲した息もつかせぬはげしい争覇戦は,ホ
ンダ4気筒レーサーの偉力とともに,観覧者を充分にたのしませた好レースであった。また敗れたりとはいえ,168野口ヤマハの11周までの健闘は,そのカン高い排気音の余韻とともに,レース終了後もなおまぶたから消えない。2時間余にわたるこのレースが終って,当日の入賞者に対する賞品授与式が行われた。

16周(149.716km)
順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速 ベストラップ(分・秒)
1 163 島崎貞夫 24 ドリームRC160 89.38 100.4 5.27
2 152 田中健二郎 28 ドリームRC160 89.39 100.4 5.15
3 159 鈴木義一 28 ドリームRC160 89.41 100.0 5.27
4 166 増田悦夫※ 22 ドリームSS 91.18 98.5 5.30
5 156 佐藤幸雄 23 ドリームRC160 91.37 98.0 5.33
6 154 田中禎助 22 ドリームRC160 96.59 93.5 5.47
7 157 長谷川 弘 25 クルーザー SC 101.58 88.5 5.51
8 161 大岳 実 24 クルーザー SC 104.30 86.5 6.21
9 164 今田俊彦 24 クルーザー SC 106.23 84.5 5.41
10 160 松川 稔 23 ライラックLS18R1 114.39 78.4 5.54
11 165 木村 力 28 クルーザー SC 118.20 76.1 6.56
12 151 大石享一 22 ライラックLS18R1 131.70 68.5 5.34
※はクラブマン招待選手


第3日目8月24日

クラブマン旧車レース

博物館ゆきの旧車ショウ


 このレースはレースということよりかもとにかく旧車を愛する人々のためのショウといったようなもの。年式不明のインデアンもお見得して関係者をおどろかしたり、うれしがらせたりした。
年前9時10分発走,老骨にむち打つことはライダーもつらい。いたわりながらひきずるようにして走る。それでもラップタイムは立派なものだ。成績表は別項の通り。

2周(18.802km) 【CCオープン】
旧車レース(外車) 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 年式 年式得点 タイム(分・秒) 平均時速 得点
1 807 三友 章 23 アリエル 29 5 15.14 74.0 10
2 801 川島善平 24 モトグッチ 27 5 16.32 68.2 8
3 803 長谷川 智 20 トライアンフ 30 4 15.17 73.8 8
4 806 臼田健三 27 インデアン 27 5 17.23 64.8 7
5 809 木邨充男 17 ワンダラ 19 5 19.41 57.3 6
6 810 北条繁友 22 トライアンフ 31 4 24.13 46.6 .
旧車レース(国産) 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 年式 年式得点 タイム(分・秒) 平均時速 得点
1 813 小林幸夫 21 メグロ(250cc) 52 1 15.58 70.6 6
2 812 相田一也 27 キャブトン(500) 51 2. 17.16 65.4 5
3 808 大野宇佐夫 24 メグロ(250cc) 52 1 16.08 70.0 .
4 811 岩波光雄 19 ホンダED(150) 53 1 19.20 58.4 .
1着5点・2着4点・・・5着1点に、年式得点を加算して順位を決定


クラブマン200ccクラスレース

桑本博之 ホンダ逃げきる


 大会3日目は曇り,観衆も5千か7千。いきさか淋しすぎる。200ccクラスは今年初めての種目。参加車はホンダSSの150,フジモーターFB200,ヤマハYCから175,クインロケット200,ルブローレントーハツ200,外車パリラ175と,今までのレースにはみられないバラエティに富んでいる。
 午前10時にスタート。第1周目桑本ホンダ早くもトップをとり、第2位は378の青木ホンダ,この2人は何れも最後まで他に護らない。3位との差は大きく開く。レースは3,4,5位のシーソーゲーム。相当白熱したレースを展開したが,結果は第1位に370桑本ホンダ,第2位に378青木ホンダ,第3位に383沼尻ホンダ,第4位に最後まで激戦を交して366丸茂ホンダが入り,第5位は368若林ホンダと,何れも上位はホンダSSが占めた。出走は26車,完走は17車で65%。
 これでクラブマンレースは終った。125,250,そしてこの200ccともに関西陣の新鋭にがい歌はあがった。

4周(37.504km)
順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速 . 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速
1 370 桑本博之 24 ホンダSS(154) 23.38 95.3 9 377 池野 誠 24 ホンダSS(154) 26.05 86.3
2 378 青木 格 19 ホンダSS(154) 23.55 94.1 10 351 高橋 清 20 フジモーターFB(199) 26.33 84.8
3 383 沼尻雅雄 23 ホンダSS(154) 24.10 93.2 11 373 松戸孝之 31 パリラ(175) 26.57 83.5
4 366 丸茂高明 22 ホンダSS(154) 24.40 91.2 12 352 清水誠市 20 ヤマハYC(175) 27.25 82.0
5 368 若林従一 27 ホンダSS(154) 24.40 91.2 13 353 出羽猛治 21 ヤマハYC(175) 27.35 81.6
6 372 生垣忠雄 21 ホンダSS(154) 24.49 90.8 14 362 横山 博 28 ヤマハYC(175) 28.25 79.2
7 358 大関重雄 22 パリラ(175) 25.11 89.3 15 363 今井聖士 21 ヤマハYC(175) 31.43 71.0
8 376 阪東啓二 21 フジモーターFB(199) 25.33 88.1 16 354 坂本安藏 22 フジモーターFB(199) 33.08 68.0


耐久セニア(500cc)、ジュニア(350cc)級レース

伊藤史朗 BMW順当の勝利


 本大会掉尾をかざる耐久レースセニア,ジュニアクラス戦は午後2時40分から開始された。9,351kmコーースを18周迄168.418kmを走破するこのレースは,延々2時間近くを予定されている。254番伊藤史朗BMWは国際レースで車両故障のため脱落しているだけに今日はどうしても勝ちたいレースである。国産の昌和ホスク,メグロを問題なく引き離して18周トップを継続して順当の勝利。それにしてもクラブマンから招待された258高橋国光,257石井,256藤井のBSA各車は健闘2,3,5位を獲得したのは立派である。なかでも終始伊藤史朗BMWに一歩も譲らず吸いつくようにぴたり離れなかった2位の258番高橋国光はみごとなものであった。その差わずかに2秒。251長谷川昌和ホスクはよく力闘4位を得た。この敢闘ぶりは観衆の拍手を以て迎えられている。
 350ccジュニアクラスはクラブ招待の2選手のみである。2周オクレのタイムでゴールした,615野口ヤマハと,伊藤とは互いにお目出とうと肩を抱き合っていた。両選手とも久しくこの勝利から遠ざかっていただけに感懐一しおのものがあったのだろう。

18周(168.418km)
クラス 順位 ゼッケン ライダ−名 年齢 車 名 タイム(分・秒) 平均時速 ベストラップ(分・秒)
350 1 615 野口種晴※ 26 ヤマハ260 109.11 92.6 5.50
2 603 高岡恭元※ 24 ドリーム305 118.24 85.5 5.42
..
500 1 254 伊藤史郎 19 BMW-R50 100.24 100.8 5.10
2 258 高橋国光※ 19 BSA 100.26 100.7 5.10
3 257 石井義男※ 25 BSA 102.27 98.7 5.32
4 251 長谷川 弘 25 ホスク 104.45 96.6 5.28
5 256 藤井 一※ 24 BSA 104.47 96.5 5.32
6 253 今田俊孝 24 ホスク 123.20 82.0 5.33
※はクラブマン招待選手


 
戦いは終った。当日分の表彰式,国旗降納。そして浅間火山レース万才を三唱し,“来年またアサマで会おう”の合言葉とともに参加選手は引きあげて行く。勝てる者も敗れた者もまた”来年”を期待しているのだ。そしてライダーはしみじみという。”いい車がほしい”―と。国産車メーカーにそれをあえてこの誌上で伝え、この3日間にわたる1959年浅間火山レース経過報告を終わる。
(大森記)

クラブ団体順位
順位 クラブ名 得点
1 東京サイクルクラブ 21
2 ホンダスピードクラブ 13
3 東京オトキチクラブ 12
4 SRクラブ 11
5 関西ホンダクラブ 10
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